総合検査のご案内 <All round Inspection Guide>
- 検査方法
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IC
- 基準範囲
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陰性(-)
- 実施料
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29点
- 判断料
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144点 (免疫学的検査判断料区分)
- 所要日数
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1~2日
- 備考
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測定法の限界上、陰性判定であっても陽性を完全に否定するものではありません。B型肝炎ウイルス(HBV)感染の診断は、本検査の結果のみで行わず、
HBc抗体測定等、他の検査結果および臨床経過を考慮して総合的にご判断下さい。
- 検体安定性
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3ケ月
- 臨床意義
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B型肝炎ウイルスは慢性肝炎、肝硬変、肝がんに進行するウイルスである。
感染は性行為、刺青、ピアスの穴開け、カミソリ、麻薬注射器の共用、医療従事者の針刺し事故などのほか、
母子感染ではキャリアとなるため、防止に向けた妊婦健診や抗 HBsヒト免疫グロブリンの投与が行われる。
ウイルス粒子はDNAを持ち、コアと外殻からなり、それらを検査するための方法が多くある。
HBV-DNA定量はPCR法で高感度に測定する。外被(surface)のHBs抗原はadr、adw、ayr、aywの4つの亜型が存在し、
増殖が盛んな時に高くなり、スクリーニング検査としても多用されている。
HBe抗原はウイルスの増殖に伴って急激に増加するので、他者への感染のリスクを判断する指標としても有用である。
抗体検査のHBs抗体は既往感染や中和抗体としての感染防御機能を持つ。
HBe抗体はウイルスの量や活動性の低下を反映する。
また、IgM-HBc抗体は感染初期や増悪期に高値となり、IgG-HBc抗体はHBs抗原が検出されないキャリアにおいても認める。
そのほか、HBVプレコア/コアプロモーター変異検出はウイルスの変異、肝炎の劇症化や病状の診断に用いられる。
イムノクロマトグラフィー法(Immunochromatography Assay: IC 法)は検体(血漿・血清)中のHBs 抗原を検出する簡便な方法である。
検体中のHBs 抗原は、シート下部の標識HBs マウスモノクローナル抗体と反応し、
HBs 抗原‐標識HBs マウスモノクローナル抗体の結合物を形成する。
この結合物はシート上を移動して、シートの上部にライン状に固相化されたHBs マウスモノクローナル抗体と結合し、
固相化HBs マウスモノクローナル抗体‐HBs 抗原-標識HBs マウスモノクローナル抗体のサンドイッチ型の結合物を形成する。
結果はシート上の判定窓に標識物質の可視化によって出現するラインの有無で判定する。