Investor Relations営業概況

当事業年度の事業の状況

(1)事業の経過及び成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴って行動制限が解除され、社会経済活動はコロナ禍前に戻りつつあり、経済状況は緩やかな回復基調を維持しました。一方でウクライナ情勢の長期化やイスラエル等の中東情勢の緊迫等に伴う原材料・エネルギー価格の高止まりや円安の長期化による物価上昇、ゼロ金利政策の解除など金融市場の変動等が懸念材料となり、先行きが不透明な状況で推移しております。

医療業界におきましては、医療費抑制政策等の社会的要請を背景に、引き続き後発医薬品の使用拡大及びセルフメディケーションに対する取組み強化等の対応が求められると共に、継続的な薬価改定の影響もあり、更なる経営努力が求められる厳しい事業環境となっております。

このような状況のもと、当社グループは、感染症の影響を踏まえた計画のもと、医療機関の多様化するニーズに応えた営業活動を展開し、継続的な企業価値の向上を実現すべく、各事業において新規顧客の獲得等による営業基盤の拡大と継続的な経費効率を重視した経営基盤の強化に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高19,682百万円(前期比2.2%減)、営業利益534百万円(同47.0%減)、経常利益514百万円(同55.6%減)及び親会社株主に帰属する当期純利益380百万円(同33.1%減)と売上高、利益共に前期を下回りました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

イ.臨床検査事業

臨床検査事業におきましては、新規顧客の獲得及び既存顧客との取引深耕拡大を図ってまいりましたが、PCR検査の受託件数が減少したことから、売上高7,561百万円(前期比8.6%減)と前期を下回りました。

利益面につきましては、前述のPCR検査の減収による減益及び材料費の増加等により、セグメント利益109百万円(同80.6%減)と前期を下回りました。

ロ.調剤薬局事業

調剤薬局事業におきましては、薬価改定による薬価の引下げがあり、薬局を前期上期に1店舗、当期上期に1店舗及び当期下期に2店舗閉鎖しましたが、前期下期に1店舗及び当期下期に1店舗開局したことに加え、処方箋単価の上昇と処方箋枚数が増加したことから、売上高11,058百万円(同3.4%増)と前期を上回りました。

利益面につきましては、原価率が上昇したことから、セグメント利益733百万円(同10.7%減)と前期を下回りました。

ハ.医療機器販売・保守事業

医療機器販売・保守事業におきましては、福祉用具の貸与が前期を上回りましたが、消耗品及び備品の販売が前期を下回ったことから、売上高936百万円(同10.5%減)、セグメント損失8百万円(前期はセグメント損失4百万円)と売上高、利益共に前期を下回りました。

ニ.その他の事業

臨床検査システムのソフトウェア販売及び保守におきましては、売上高125百万円(前期比11.7%増)、セグメント利益89百万円(同19.4%増)になりました。

事業区分別売上高

事業区分 第59期(2023年3月期) 第60期(2024年3月期) 増減
金額 構成比 金額 構成比 金額 増減率
臨床検査事業 8,275百万円 41.1% 7,561百万円 38.4% △714百万円 △8.6%
調剤薬局事業 10,693百万円 53.1% 11,058百万円 56.2% 364百万円 3.4%
医療機器販売・保守事業 1,046百万円 5.2% 936百万円 4.8% △109百万円 △10.5%
その他の事業 112百万円 0.6% 125百万円 0.6% 13百万円 11.7%
合計 20,127百万円 100.0% 19,682百万円 100.0% △445百万円 △2.2%
セグメント別売上高
セグメント別売上高
セグメント別売上高5年の推移
セグメント別売上高5年の推移

(2)設備投資の状況

当連結会計年度において実施した企業集団の設備投資総額は、352百万円であり、その主なものは、次のとおりであります。

  • 臨床検査事業 検査機器等 
    106百万円
  • 調剤薬局事業 調剤機器等 
    188百万円

(3)資金調達の状況

該当事項はありません。

(4)事業の譲渡、吸収分割又は新設分割の状況

該当事項はありません。

(5)他の会社の事業の譲受けの状況

該当事項はありません。

(6)吸収合併又は吸収分割による他の法人等の事業に関する権利義務の承継の状況

該当事項はありません。

(7)他の会社の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分の状況

該当事項はありません。

直前3事業年度の財産及び損益の状況

区 分 第57期
(2021年3月期)
第58期
(2022年3月期)
第59期
(2023年3月期)
第60期
当連結会計年度
(2024年3月期)
売上高 17,502百万円 19,109百万円 20,127百万円 19,682百万円
経常利益 1,188百万円 1,605百万円 1,159百万円 514百万円
親会社株主に帰属する
当期純利益
793百万円 1,042百万円 568百万円 380百万円
1株当たり当期純利益 231.85円 306.16円 170.53円 114.14円
総資産 14,511百万円 16,149百万円 16,521百万円 16,680百万円
純資産 9,272百万円 10,337百万円 10,880百万円 11,183百万円
1株当たり純資産額 2,708.63円 3,016.24円 3,178.25円 3,283.71円

重要な親会社及び子会社等の状況

(1)親会社に関する事項

該当事項はありません。

(2)重要な子会社の状況

会社名 資本金 当社の出資比率 主な事業内容
株式会社帯広臨床検査センター 20百万円 100.00% 臨床検査
アクテック株式会社 10百万円 100.00% 医療機器販売・保守
株式会社札幌ミライラボラトリー 250百万円 60.00% 臨床検査
株式会社札幌メディ・キャリー 25百万円 60.00% 臨床検査

対処すべき課題

医療業界におきましては、2年毎に診療報酬改定が実施されており、その中で当社の主要事業である調剤薬局事業に関わる薬価改定については、毎年マイナス改定が実施されております。

今後益々の高齢化社会の加速に伴い、医療費抑制政策が継続的に強化されることは避けられず、引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

このような状況のもと、当社グループは北海道を拠点とする地場企業として業容の拡大と安定的な収益確保を目指していく所存であります。

臨床検査事業につきましては、継続的な検査工程の見直し、大型設備投資による自動化及び検査精度の向上に努め、更なる業務改革を行ってまいります。

調剤薬局事業につきましては、マイナス基調である薬価改定、薬価差益の縮小に備え、新規出店に積極的に取組むと共に、各種の制度変更に対して速やかな対応を図り、調剤過誤防止の徹底、親切な応対、患者様への安心・安全の提供等、企業としての質の競争力を維持・強化してまいります。そのための薬剤師確保は重要課題であり、積極的に募集・採用活動を進めてまいります。

医療機器販売・保守事業につきましては、環境変化に伴う医療機関のニーズに即した最新の医療機器の情報提供を行い、顧客ニーズをしっかり捉え、医療機器等の安定供給やグループ全体の強い顧客基盤を活かした営業活動を展開し、業容拡大に努めていく所存であります。

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